望遠レンズで「江の島探し」 市川勝典さん 写真展
鵠沼郷土資料展示室では5月15日(木)まで「湘南の眺望写真展」を開催している。
会期中は、鵠沼海岸在住のデザイナー市川勝典さん(69)による「江の島360度パノラマ写真」をはじめ、7年に渡って約30カ所から撮影した江の島の写真をメインに展示。そのほか、地元の写真愛好家によるダイヤモンド富士やパール富士、昭和初期のモノクロ写真、富士山が描かれた浮世絵など、約300点が展示されている。午前10時から午後4時(月曜休館)。
好天に恵まれた2005年1月2日、市川さんは江の島展望台から360度のパノラマ撮影に成功した。富士山や丹沢をはじめ、新宿副都心、房総、新島まで鮮明に映り、その見晴らしに感激したという。「江の島から見えるなら、向こうからも見えるはず」と、「江の島探しの旅」が始まった。
狙いは元旦
天候や時間によって、靄(もや)の影響を受ける江の島は、遠方になるほど撮影条件が厳しい。見晴らしが良い山に登頂しても、生い茂った樹木が視界を遮ってしまうなど、シャッターチャンスは極めて少ないという。「空気が澄んでいる早朝しかチャンスがない。また工場の煙や自動車の排気ガスが影響するので、最も撮影に適しているのは正月」。埼玉や静岡などの遠方は、年一度のチャンスに賭けた。
10年元日、終夜運行の電車を乗り継ぎ、埼玉県飯能市へ。三脚とレンズをかつぎ、雪の残る標高755m・関八州見晴台まで登った。午前8時30分、その瞬間は今でも忘れられない。「望遠レンズにとうとう江の島を発見した。ビル群の中に建設中のスカイツリーも見えて」。逆光のシルエットを狙い、2時間待機し、江の島から直線距離75・4Kmからの撮影に、2年越しで成功した。富士山や伊豆大島よりも遠い最高記録だった。「携帯電話の電波も無い山で足が攣ったりと大変なことも多いが、もっと良いアングルやポイントがあるのではと掻き立てられる。江の島は見る角度によって街並や森、岩場と表情が全然違うから、様々な表情を撮り続けたい」と語る。
問い合わせは、鵠沼市民センター内・同展示室【電話】0466・33・2001へ。
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