江ノ島電鉄と台湾鉄路管理局はこのほど、両国の地域観光周遊の促進を目的とした友好鉄道協定を締結した。交流事業として江ノ電、台湾の平渓線の沿線地域を紹介する特典付きガイドブックをそれぞれ製作し、5月1日(日)から配布を開始する。
江ノ電の天野泉社長と台湾鉄路管理局の周永暉局長は3月15日、同局内貴賓室で行われた式典で同協定を締結。両線の更なる認知向上、利用促進に向けて新たな一歩を踏み出した。
ガイドブックはパスポートサイズで、中文表記の「江ノ電沿線PASSPORT」5000部、日本語表記の「平渓線沿線PASSPORT」1000部を製作。40頁ほどの冊子で、沿線地域の公共施設、飲食店、土産物店などを紹介している。掲載店でガイドブックを提示した利用客には、「おもてなし」として店舗が割引や特別メニューなどさまざまな特典を用意する。
ガイドブックを入手するには、各路線の使用済み周遊券と引き換える。江ノ電の同券は台湾の台北駅と瑞芳駅、平渓線の券は藤沢駅、江ノ島駅、鎌倉駅のいずれでも引き換えできる。5月1日から配布を始め、両電鉄の合意があれば最大3年間、同施策を継続するとしている。
今回の協定締結の背景には、2013年に両路線が締結し、多くの交流を生み出した「観光連携協定」がある。「観光鉄道」としての認知向上を目指す平渓線が、国内で群を抜く知名度を誇る江ノ電に連携を依頼。両者が使用済み周遊券を互いの一日乗車券と引き換えられる施策を進めた。その結果、江ノ電によると今年2月末現在で両国計約1万5500人が利用。うち台湾からの観光客が95%に上った。主に湘南地区が舞台の人気アニメ『スラムダンク』の影響で若者の誘客拡大にもつながったとみられている。3月末で終了した同施策の成果を受け、今回の締結が実現した。
江ノ電観光企画部の中沢俊之さんは「平渓線と二人三脚で歩み、互いの実利も信頼も生み出せて有難い。今後も観光を通じて交流を深めたい」と意欲を示した。
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