10月に福岡で開かれる日本歯科医学会総会にシンポジストとして参加する 雨宮 啓さん 鵠沼地区在住 41歳
途切れぬ探究心
○…4年に1度開かれる歯科界最大の学術大会「日本歯科医学会総会」。全国の歯科医師を代表して、研究成果を発表するシンポジストに選ばれた。総会では最年少ながら専門のインプラント治療について、症例を交え講演する。「サッカーでいうと日本代表に入った気分。驚いたけれど、光栄なことだと思い引き受けた。藤沢の歯科治療のレベルが高いことをアピールしたい」と考えている。
○…茅ヶ崎で生まれ、藤沢で育つ。興味あるものは突き詰めるタイプの子どもだったという。歯科医師だった父親の背中を見て成長し、中学生のころには同じ道を歩むことを決めていた。東京歯科大学で6年間学ぶが、探究心は満足せず「高齢社会では歯周組織を再生する手術やインプラント手術が増えるだろう」と歯科麻酔学講座の大学院に在籍した。そこで「生涯のメンター(指導者)」と慕う歯科医師の白鳥清人氏と出会う。社会人大学院生として学んでいた白鳥氏は、歯科医師の先輩としてアドバイスをくれ、同じ大学院生として研究に切磋琢磨した。
○…「いっしょに専門医院を開こう」。当時先進的なインプラント専門歯科医院の開業を予定していた白鳥氏に誘われ、28歳の時に2人で歯科医院を開業。「開院当初は、患者さんが少なく、2人でキャッチボールをしていた」と思い出を語る。それでも、すぐに評判の医院となり、多くの経験を積んだ。6年間勤めた後、34歳で藤沢駅南口に開院していた父親の後を継ぎ、専門医院となる藤沢歯科ぺリオ・インプラントセンターを立ち上げた。
○…中学・高校は水泳部、大学はスキー部で競技に熱中した。今でも週1度はプールで1Kmほど泳ぐのが日課。スキーも続けている。幼いころからの突き詰める性格は今も変わらず、最近では治療だけでなく、歯科が発信する食育にも力を入れている。「患者さんの笑顔を見るのが一番の幸せ」。探究心に終わりはない。