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藤沢 人物風土記

公開日:2017.02.17

昨秋のJPSAジャパンプロサーフィンツアーで連覇し、藤沢市生涯学習表彰を受けた
善家 尚史さん
鵠沼藤が谷在住 31歳

自然体で輝き放つ

 ○…プロサーフィンツアーの第5戦、ショートボード部門で悲願の勝利をつかんだ。その翌週には地元鵠沼での第6戦でも優勝。プロサーファー歴10年にして、みごと2輪の大華を咲かせた。「今まで積み重ねてきたトレーニングや苦労もすべて実ったという実感が沸いて、率直に嬉しい」と微笑む。初勝利までの道のりは険しく、実は引退を考えていた。「好きな大会だけにエントリーして波乗りを楽しもうって。でも、それが逆にリラックスできて良かったみたい。開き直りというか、自分で勝手に背負っていた肩の荷を『下ろした』という感じですね」

 ○…数々の勝利を飾り、サーファー界のレジェンドとして知られる善家誠さんを父に持ち、葛藤もあった。「父の栄光を受けて、七光りでやってきたけれど、ようやく自分の輝きを放つことができた。祖父母にもトロフィーを見せてあげたかった」。物静かで温かく見守るだけの父も「めちゃくちゃ笑顔だった」と、その祝福を少年のように喜ぶ。

 ○…波乗りデビューは、思いのほか遅く、中学1年生から。3歳から子役として芸能活動をする傍ら、夢中だったのはサッカーだった。しかし中学1年の春に1カ月ほどドラマの撮影が入ったことで出遅れてしまった。「そんな時に父が波乗りに連れて行ってくれて。一気に夢中になりました」

 ○…普段は植木職人として剪定や外構工事などに精を出す。「波乗りも植木屋も自然相手。根性は要るけれど、自然と向き合うのは楽しい。親方も理解があって大会前は休ませてくれたりと、とてもありがたい」と謙虚に語る。口調は丁寧で性格も穏やかだが、「海に入ると、人が変わる」のだとか。「次の目標はグランドチャンピオンと稲村クラシック。30歳を過ぎて選手生活も長くないけれど、どちらも親父が初代チャンピオンなので、目指したい」。父への尊敬の念、周囲への感謝、そして自然への敬意を胸に、なお挑戦し続ける。

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