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水彩・油彩画で11月2日から長後駅前のギャラリー669で「90歳展」を開く 福島 光夫さん 高倉在住 90歳

掲載号:2017年10月27日号

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90年の世界観 絵筆に託し

 ○…今年1月に満90歳を迎えたことを記念し、ヨーロッパや国内の風景画を中心に描き溜めた力作の中から30点ほどを展示する。クリスチャンという縁で10月初旬に藤沢北教会でも「90歳展」を開催。5日間で150人以上が来場するほど盛況だった。「たくさんのご縁に恵まれ、この歳になって個展を開けるのは幸せなこと」と優しく微笑む。

 ○…長野県出身。小学校を卒業後、家業の床屋を継ぐために都内へ修行に。師となった父の友人が教養のためにと美術展に連れて行ってくれたことがきっかけで、絵画に興味を持つようになった。その後ハサミを手にすることなく戦争を迎え、辻堂に疎開。戦後は茅ヶ崎の平和学園で6年間教鞭を執った。師匠に誘われ、理容師の社会的地位の向上や業界の礎作りに携わることに。理容師や指導者を育成する学校の創設や教材の作成などに奔走した。都内の「中央理美容専門学校」では副校長を務め、講習で全国を巡り歩いた。「理容師を目指したが、客の髪を切ることはなかった、珍しい生き方でしょ」と笑う。

 ○…旅先に必ず持って行ったのがスケッチブック。趣味として目にする風景を描き、定年後も度々海外へ一人旅に出た。「旅先では楽しい出会いがたくさんあり、忘れられない」と振り返る。3年前に長年連れ添った妻が他界。元気をなくしていたが、間もなく迎える90歳を目標に一念発起して筆を再び握り始めた。水彩画しか描いてこなかったが、折れた杖を修復する際に油絵具を使ったことがきっかけで、2年前から油彩にも挑戦。現在は6時間睡眠で、制作活動は深夜0時過ぎまで及ぶほど没頭している。

 ○…「100歳展も開けたらいいですね、生きているかわからないけど」。声帯を痛め、声は出しにくくなったが、目の輝きや記憶力、制作意欲は年齢を感じさせない。かつて世界中で目にしてきた風景を脳裏に描き、今日も静かに絵筆を動かし続ける。

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