ブドウをあしらった陶器を手掛け、23日から辻堂のギャラリーえんで初の個展を開く 酒井 由美子さん 辻堂東海岸在住
ブドウに魅せられて
○…果物のブドウに魅せられ、その実や葉、蔦などをモチーフに陶器を手作りしている。作品はどこかエレガントで可愛らしく、陶芸仲間や講師の間でも評判となり、今月23日から初めて個展を開くことが決まった。展示するのは、コーヒーカップや皿などの食器をはじめ、時計や壁飾り、花器など約90点。そのすべてにブドウがデザインされている。「作陶展ですが、メインはブドウなんです」と明るく笑う。
○…若い頃に訪れた神戸で、ブドウの飾りが付いたワイングラスを見つけたことがきっかけだった。「すごく可愛くて、それからブドウが目につくようになった」と小物の収集を始め、現在自宅は、食器から家具、電気スタンド、ゴミ箱までブドウずくめ。理由は言葉に表せないが「形も食べるのも飲むのも、とにかく大好き」と魅了されている。陶芸は夫の転勤で福岡に移り住んだ5年前に、既製品では飽き足らず、自身が使う食器を手作りしようと習い始めた。最初は趣味程度だったが、2年前に自宅の一室をアトリエにするほどのめり込んでいる。
○…相模原市で生まれ育った。身長が177cmと高い。小学生で170cmあり、クラスでは、よく集合場所など目印の役割だったという。長身に加えその美貌を生かし15歳からモデルとして活躍した。雑誌やTVコマーシャル、ファッションショーに出演。国内はもちろん海外の多様な都市を訪れ、一流デザイナーと仕事をする日々を送った。「自分の美的センスが磨かれていた時代だったと思う。あの経験がなければ、陶芸もできていない」と話す。
○…個展に向けては、有島武郎の童話「一房の葡萄」を例に挙げる。作品の中でブドウは、教諭が教え子である子どもの心を和ます贈り物であった。「そんな人々の心に届くような作品にしたい。ブドウには人の心を和ます力があるし、私も思いを込めて作っています」と力を込めた。
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