老朽化に伴う再整備が検討されている藤沢市民会館について市は19日、大規模改修ではなく「建て替え」とする方針を固めた。想定する事業費は約120億円。改修と比べて倍以上に費用が膨らむ見通しだが、長期利用や施設の複合化が可能なことなどを優先した。来年度にも基本構想策定に向けた検討に入るとしている。
27年度供用開始目指し
同日開催された市議会藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会で市が報告した。
市民会館は1968年10月に開館。完成から半世紀が経過し、配管内の腐食や関連設備の劣化など老朽化が進んでいる。また利用者からはトイレの数が少ないことや2階の大ホールへの移動手段が階段しかないことに改善を求める声も寄せられているという。
市は6月の中間報告で改修か建て替えるかの方針を今年度内に決定すると説明。費用や工期などを比較検討してきた。
報告書によると、設備改修やバリアフリー対応を含めた大規模改修は約50億円と想定。建て替えと比べて費用が抑えられ、工事に伴う休館期間も短く済む反面、「耐用年数を伸ばす効果はなく、20年後には再び建て替えが必要になる」と説明。構造上の課題に対する抜本的な改善が困難なことなどもデメリットにあげた。
民間資本活用も視野
一方、建て替えは3年程度の長期休館が必要になるものの、約70年間の長期利用や施設の複合化、市民ニーズに沿った柔軟な整備が可能になることなどを利点にあげる。こうした背景から「効率的な投資であり、新たな文化の創造・発信拠点として利用できる」とし、建て替えによる整備が妥当と結論づけた。
ただ、建て替える場合、起債などに伴って後年度負担が増加する。このため、市は民間資本を活用し、公共施設の建設や管理・運営を行う「PPP/PFI事業」も視野に今後検討を重ねるという。
市のスケジュール案では、2019年度から庁内検討と市民や利用団体との意見交換会などを開始。20年度以降、「PPP/PFI導入可能性調査」の結果を踏まえながら導入の如何を判断する。
供用開始のめどは27年度。基本構想策定にあたっては今後、外部有識者や利用団体代表、公募市民などで構成する「(仮称)市民会館再整備検討委員会」を設置する予定で、市では「検討会や市民、利用団体との意見交換を通じて、多様な意見集約に努めていく」としている。
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