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藤沢版 公開:2019年10月11日 エリアトップへ

長後発で新ビジネス “陸の海ぶどう”藤沢の名物に シェフから転身、黒澤さん

社会

公開:2019年10月11日

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「シャキシャキの茎付きでプチプチ食感を楽しめるのが特徴」と黒澤さん
「シャキシャキの茎付きでプチプチ食感を楽しめるのが特徴」と黒澤さん

 沖縄の特産品として知られる海藻「海ぶどう」を藤沢市北部の果樹農園で作っている生産者がいる。長後在住の黒澤浩一さん(66)。沖縄県外での陸上養殖は珍しいといい、藤沢の新たな名物を目指し、安定した生産に向けて奮闘している。

 長後にある果樹園「ふるうつらんど井上」の敷地内にある養殖場。使われなくなった温室内の25m×3コース分あるプールに水槽を設置し、地下水で作った人工海水の中で約1カ月かけて海ぶどうを育て収穫する。苗は沖縄から仕入れ、生育ベッドと呼ばれる網に植え付ける。

がん治療が契機に

 11年前、藤沢本町でシェフとしてイタリア料理店を経営していた頃、がんが見つかり胃と十二指腸を全摘出した黒澤さん。5年後の生存率を50%と告げられ、人生観が一変した。

 薬の副作用で味が分からない状況が続き、「料理以外で自分が納得できる仕事をしよう」。元々食に関心があったため、店を閉め、生産者への転身を決意。知人の農園で見習いとして働きながら農業で新ビジネスを模索する日々が始まった。

 当初は農園で使われなくなったプールを活用し、エビの養殖も考えたが、設備投資などコスト面から断念。日大生物資源学部の専門家に相談したところ海ぶどうであれば少ない水でも養殖が可能ということが分かった。

 海ぶどうは抗がん剤に入っているという「フコイダン」という成分が多く含まれる。健康食材であることに加え、限られた環境でも養殖ができるなら、市北部の耕作放棄地を活用するきっかけになるかもしれない――。一念発起し、養殖に着手した。

”地産地食”の一助に

 生育に適した塩分濃度や水温、ろ過装置などノウハウを専門家に仰ぎながら、昨年8月から生育を開始。今年5月から9月にかけては月100kgを超える生産に成功した。

 現在は同農園の直売所などで予約販売を行うほか、地元の新たな食材として江の島や鎌倉の有名店でメニューに取り入れられているという。「しらすに匹敵する珍しさと新しさで藤沢のしらすと海ぶどうをのせた『藤沢丼ぶり』みたいな名物を作って”地産地食”にもつながれば」

使わなくなったプールに水槽を設置して養殖
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