年間400人以上の相談を受ける、示現寺(じげんじ)住職の 鈴木 泰堂(たいどう)さん 用田在住 44歳
重い荷物は一緒に担ぐ
○…薬物依存や家庭問題、人間関係など、年間400人以上の悩みを抱えた人たちが全国から相談にくる示現寺。「人間は悩み苦しむもの。その悩みを共有して、少しでも軽減できるようにアドバイスをするのが役目」と話す。枕元にも電話を置き、いつでも相談にのる。「重い荷物は一緒に担いであげるという仏の教え。特別なことをしているわけじゃない」と朗らかに話す。
○…12歳の時に在家から出家し、先代の父の弟子になった。「自ら進みたいと選んだ道。困っている人々を救い、周りから慕われる、父に憧れて決めた」。2008年に住職になり、同じく12歳で出家した2つ年下の弟と一緒に寺を管理。2人の息子のうち、長男は大学の仏教学部へ入学、次男は兄と同じ道を進むべく同じ高校へ進学した。「僕たちの姿をみて決めたのかな」と優しい笑みを浮かべる。
○…覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けた元プロ野球選手の清原和博さんの社会復帰を精神的に支え、昨年末には対談本「魂問答」が出版された。「清原さんだからといって特別に扱うのではなく、400人の相談者のうちの1人」。自身の勉強のため「薬物乱用防止教育認定講師」の資格も取得。「依存症の人は皆やめたいと思っている。でも意思がコントロールできず止められない。何か背負うものができれば回復への道も開けるはず」
○…東海道新幹線の通過点で「日本一、新幹線に近い寺」。毎日新幹線に向かってお経を唱える。相談には「のってあげる」のではなく、「のらさせて頂いてる」という姿勢。「ぼくも相談者の人生の通過点。相談は自分の学びにもなり、次の相談者にも役立つ。今まで無駄な出会いは一つもない」
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