走った距離やタイム計測のため多くのランナーが利用する「GPSアプリ」。それを活用し、地図上の移動ルートで絵や文字を表現する「GPSアート」を始めた人がいる。鵠沼桜が岡在住でKFP鵠沼おやじパトロール隊副隊長の八尾健史さん(48)。日々のパトロールで身に付けた土地勘を生かし、約10日間で十二支の絵を走って完成させた。
きっかけは先月末、趣味のテニスのトレーニングのために始めたランニング中に、GPSで模様を描くことを思いついて。緊急事態宣言が発令されてからはテニスができなくなってしまい、試しにうずまき模様を作ってみたところうまく成功した。次の日には犬の顔に挑戦し、その作品をSNSのフェイスブックにあげたところ仲間から「十二支のはじまりか?」とコメントがあり、本格的な”創作活動”が始まったという。
範囲は鵠沼地区が中心。ルートは普段からパトロールをしているのでほとんど知っている道だ。「鵠沼地区は地図上にのっていない細かい道も知っているから役立っている」と八尾さん。辻堂や片瀬地区へ及ぶこともあるが、「曲がり角などの目印は事前に調べるけど、知らない道だとやっぱり難しい。同じ道を行ったり来たり、公園内をぐるぐるしたりするから不審者に間違われそうで」とおどける。
作成に3時間
走るルートは前日までに決定。モチーフになる動物のイラストをインターネットで検索し、地図上でその動物のポイントとなるパーツを描けそうな道を探す。見つかると大体の線を描き、ちょうど良い道が無い場合は、動物のポーズを変更し、また地図上で描ける場所はないかと探し直す。八尾さんは「このルート決めが一番のポイントで時間もかかる。3〜4時間費やした時もあったかな」と話す。
十二支のほかにも、コロナ終息を願って走った「アマビエ」などの作品もある。八尾さんは「『いま前足の部分を描いているな』と思いながら走ると普通に走るより楽しい。出来上がりの絵を見るのも楽しみでマンネリ防止にもなっているよ」とほほ笑んだ。
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