藤沢、茅ヶ崎、寒川を管轄する藤沢税務署新署長 村上 明雄さん 朝日町在勤 59歳
人に親身に、悪事に厳しく
○…「相手の気持ちになって考え、困っている人に手を差し伸べることが大切」。終息の道筋が未だ見えない新型コロナウイルスの影響が続く中、納税の猶予など「相談に乗れることがある」と話し、署員にも、親身になるよう通達。納税の義務を果たさない悪事は迷いなく断つが、それだけではない血の通った税務署を目指す。
○…税務署に入ったのは「なんとなく」。高校卒業後に公務員を目指し、中でも「税務大学校で給料をもらいながらまだ学べるのは魅力的」だったと笑う。そんな気軽な入庁だが、主に担当してきた相続の大口、悪質な案件を調査する資料調査課では着実に実績を上げてきた。ポイントは「信頼」。「相手にも事業や家族、大事にしていることがある。何を望んでいるか粘り強く聞くことが信頼を生み、その大事にしていることを守るためにも税の問題を早く片付けようと説得した」と話す。また、この思いやそこで得た技術を若手に伝えていくことが「使命」と考える。
○…秋田県生まれ。身長180センチと体格にも恵まれ、高校時代は国体出場したこともある地元名門校のボート部にスカウトされ、仲間とともに汗をかいた。趣味は読書。ハードボイルドや中国の歴史大作で有名な北方謙三を愛読。魅力は「迫力があって引き込まれること」とうれしそうに話した。
○…国内屈指の個人税を扱う同署。来年の確定申告シーズンに向けて「混雑する会場に来なくてすむパソコンやスマホで申告ができるe-Taxの普及も進めたい」とも。納税の猶予など特例制度の情報発信も重要視し、署長自らアピール。安全安心、さらに頼りがいがあり、税の公平を守る。ウィズコロナの中の采配に期待が集まる。