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藤沢 社会

公開日:2020.08.28

インタビュー
「無駄でもいい 連絡『密』に」

 我が子を語る「オレオレ詐欺」。冷静になると分かっても、騙されてしまうケースが後を絶たない。日頃の備えでできることはないか、企業や学校で多数の講演・研修を手掛けるコミュニケーション講師の吉井奈々さんに聞いた。



 老若男女、様々な方からご相談を受けますが、最近感じるのが、シニア世代で「目的のないコミュニケーション」が苦手な人が多いということ。会議や打ち合わせなど「目的地」があるとうまく進むけれど、雑談は得意でない。「連絡は用があるときだけ、必要最低限」。そんな時代背景があったからかもしれません。



 そんな方たちに提案したいのが、自分の子や孫とあえて「無駄なコミュニケーション」をとること。なぜだと思いますか?



 私は振り込め詐欺がなくならない背景には手口の巧みさだけでなく、被害に遭われる方の「寂しさ」がある気がしてなりません。「普段連絡をくれないあの子が突然の連絡。きっとよほどのことに違いない」。そう思うのは犯人の思うつぼです。でも日頃からひんぱんに連絡を取り合っていれば、きちんと疑うことができるかもしれない。



 そこで挑戦していただきたいのが、スマートフォンのアプリを活用すること。例えば「LINE」は電話やメールよりも手軽に気になることや気持ちを相手に伝えられますし、受け取る側も返事が楽です。「今さら切り替えるのも…」と思うかもしれませんが大丈夫。私にも70歳過ぎの両親がいますが、毎日のようにたわいもない連絡を取り合っています。使い方が分からなければ、ぜひお子さんやお孫さんを頼ってみてください。親から頼られることは子どもにとって決して迷惑ではありませんから。日頃から何となく連絡を取り合う。そんな「素敵な癖」をつけてほしいです。

 

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