藤沢 社会
公開日:2020.09.18
認知症当事者が手作り弁当
「真心こもった母の味」人気
皆で心を込めて作りました――。
9月の「世界アルツハイマー月間」に合わせ、NPO法人シニアライフセラピー研究所が販売する「オレンジ弁当」が密かな人気を呼んでいる。デイサービスに通う認知症の人たちが調理したもので、販売数こそ多くないものの連日完売。ヘルシーで栄養バランスの整った「母の味」が好評のようだ。
15日、鵠沼海岸にあるレストラン「かめキッチン」。店頭に設置されたテントには、かに玉弁当やチンジャオロース弁当、9種類の総菜を詰め合わせた「おもてなし弁当」が並び、昼過ぎにはほとんどが売り切れた。
調理を手掛けたのは、同法人が運営する「カルチャースクール亀吉」に通う利用者ら。同施設では機能回復の一環として、働くこととリハビリを組み合わせたプログラムを取り入れており、利用者らは有償ボランティアとして料理を提供している。ところが、レストランはコロナ禍で休業状態に。一般向けの販売ができない状況が続いたが、世界アルツハイマー月間に合わせ、認知症支援のイメージカラーであるオレンジを冠した弁当を販売することにした。
弁当は日替わり。利用者らはお互いにアイデアを出し合ったり、献立を考え、実際に調理する。「認知症になってもサポートがあればできることはたくさんある。利用者が地域社会の一員として活動していることを知ってもらえたら」と同法人の港弓子さん。
弁当は750円。月〜金曜の午前11時30分ごろから販売し、売り切れ次第終了する。問い合わせは同法人【電話】0466・34・8550へ。
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