市内の障害に関する情報を発信するサイトを運営する「障がいのアナ」代表 小川 優さん 柄沢在住 32歳
人と人をつなぐ架け橋に
○…「障害のある人との違いに着目するのではなく、共通点を知ってほしい」。障害者と触れ合う機会が無いと、近寄りがたいと思う人もいる。その「認識の違い」という壁に”穴”をあけるため今年1月、情報発信のプラットフォームを立ち上げた。レディオ湘南のパーソナリティとしてもお馴染み、アナウンサーの顔も持つため、2つを掛け合わせ団体名は「障がいのアナ」。障害者やその関係者にインタビューを行い、その記事やコラムを運営サイトに音声機能なども付けて掲載。「人」を焦点に、当事者の特性や魅力、リアルな声を届ける。
○…感染症拡大の影響で取材は一時中止としていたが、10月から市の「ミライカナエル活動サポート事業」の補助金を活用し再始動する。「社会の中で感じる『生きづらさ』という障害を改善し、誰もがありのままに生きるために」。一人ひとりの主張を柔らかく変換し、つなぎ役を担う。
○…進路を考えていた高校2年生の冬、ふと「保健室の先生」という将来像が浮かんだ。保健室を訪れる生徒の悩みに寄り添い、前を向けたらそっと背中を押す。そんな姿に憧れた。大学の看護学科へ進学後、白浜養護学校の保健室の教諭に。5年ほど勤めた後、「この子たちの魅力をもっと多くの人に伝えたい」と子どもの頃から夢だったアナウンサーに転身した。「どちらも言葉で人を助けられる職業」と朗らかに笑う。
○…3姉妹の長女。「家族みんなよく喋る」賑やかな家庭で育った。持ち前の明るさで、学生時代も多くの友人に囲まれた。「違う考えを持っている人でも、見えてないだけで共通項はいっぱいある。間に立つ私たちの伝え方やつなぎ方によっては、皆で仲良くできる」と目を輝かせた。