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藤沢 文化

公開日:2020.10.23

「モダニズム建築の出発点」
旧近代美術館 国重文に
文化審が答申

  • 鶴岡八幡宮境内に建つ「旧神奈川県立近代美術館」撮影 新良太、写真提供 鶴岡八幡宮

 国の文化審議会が10月16日に開かれ、旧神奈川県立近代美術館(鎌倉市雪ノ下)を国の重要文化財(建造物)に指定するよう、文部科学大臣に対して答申した。これにより同市内の国指定重要文化財(建造物)は23件となる。







 鶴岡八幡宮境内に建つ旧神奈川県立近代美術館は、1951年に日本初の公立近代美術館として誕生し、「カマキン」の愛称で市民にも親しまれてきた。2016年には県重要文化財の指定も受けている。



 設計を手掛けたのは20世紀を代表する近代建築家ル・コルビュジエに師事した坂倉準三(1901-69年)。今回の答申では、明快な動線により室内外を流動的に結び付けている点などを挙げ、「我が国戦後モダニズム建築の出発点となる建物として重要」として高く評価された。



市民の声受け保存



 一度は存続の危機に見舞われた。建物を所有していた県は当初、同宮との借地契約が終了する2016年3月までに解体した上で土地を返還する方針を示していた。



 しかしこれを知った市民らが署名運動を展開。2カ月で約1万6千人分の署名を集め、県や鶴岡八幡宮に保存を要望した。こうした声を受けて県は15年に本館棟の保存を決定し、美術館が閉館した後の16年末に建物を含む敷地が同宮に返還された。



 その後、耐震工事やバリアフリー化を施したうえで、19年6月に鎌倉の歴史や文化などの新たな発信拠点「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」として開館した。

 

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