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藤沢 人物風土記

公開日:2021.03.19

県青少年育成功労者表彰を受賞した
三觜(みつはし) 忠(ただし)さん
藤沢在住 76歳

子どもの笑顔、守りたい

 ○…非行防止のための繁華街・観光地の夜の見回り、こども広場の運営や民生委員・児童委員など、さまざまな立場から子どもたちの育成に関わり続け30年超になる。18年からは青少年のあり方について地域全体で考える「藤沢市青少年育成協議会」の会長に就任。支援全体の指導的立場にあるが「子どもが大好きでね。その笑顔を守りたくてやってきただけ」とおごらず常に穏やかだ。

 ○…明治期から続く茶屋「みつはし園茶舗」の3代目。9人兄弟の長男で、周りから言われずとも、いずれ店を継ぐものと勉学に励む真面目な子どもだった。地域活動に関わるようになったのは、自身の子どもたちが通う藤沢小学校PTA活動から。時代は昭和後期から平成初期。暴走族などの青少年非行対策が叫ばれるようになる中、市内でも新たに青少年支援の活動が立ち上がり、請われれば協力を惜しまず参加した。

 ○…ほとんどが無償のボランティアだが「地域への恩返し。誰しも昔は子どもでしたから」とにっこり。特に力を入れるのは、夏祭りや餅つきなどのイベント。長年関わると、参加していた子どもが大人になり子連れで参加することも。「みんなの喜ぶ様子を直接見られるのが一番だよ」と笑う。2年前から孫の進学を機に、店舗の前の横断歩道で登下校見守りも始めた。顔見知りも多く「みんな孫みたい」と目を細める。

 ○…長年の活動でさまざまな事情を持つ子どもたちと関わってきた。「非行に走る子は、物理的、心理的に居場所がない子が多いね」とぽつり。「指導という立場だけど、こうすれば解決する、なんてことは言えない。でも一人じゃないよ、あなたのことを見ているよ、と伝えてあげたい」と力を込めた。

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