神奈川県は先月30日、砂浜の現状と維持管理方針を海岸ごとに示した「相模湾沿岸海岸侵食対策計画」を改定した。藤沢海岸の「片瀬西浜」には、この10年間で一部区間に侵食傾向が見られ、「維持的な養浜を行い侵食防止を進める対策」が新たに盛り込まれた。
2011年に概ね10年間の期間で策定した計画を、最新の状態を踏まえて見直しを行った。
相模湾を三浦から湯河原の25地区に分け、「砂浜の波消し機能の有無」「砂浜の安定性(堆積、侵食の度合い)」で評価。最も深刻な順に「A」から「D」に4分類した上で、今後の対策方針が設定されている。
藤沢海岸は「片瀬西浜」「腰越・片瀬東浜」「辻堂」の3地区で評価。「片瀬西浜」は11年時点では「最も安定している(D)」だったが、今回一段階悪化した「侵食傾向がみられる(C)」に。最も深刻な状態の「七里ガ浜」や「菱沼海岸」と比較すると砂浜の機能は保たれているものの、侵食が進んでいる。影響が顕著に表れたのは波打ち際で、13年と19年時点を比較すると海岸線が10m後退した箇所も確認された。県は原因を「片瀬海岸や境川河口で漁船などの往来による水底の土砂の移動」と分析。近年頻発している大型台風に伴う高波の影響もみられるという。
今後の対策は、辻堂海岸の飛砂や片瀬漁港の土砂を活用し、年間1万〜2万㎥を投入する。対策を行わない場合、10年後に片瀬漁港西側で海岸線が前進し、引地川付近で海岸線がさらに10m程後退する予測も示された。
東浜、辻堂は「安定」
一方、「腰越・片瀬東浜」と「辻堂」は、前回計画から変更なく「最も安定している(D)」に位置付けられた。
「腰越・片瀬東浜」は湘南港や腰越漁港の建設による地形的変化に伴い堆積が進み、状態が安定。今後対策を行わなくとも、自然に現状が保たれ、海岸線の後退は最大でも5m程度と予想。今後は砂浜の状況をモニタリングし、必要に応じて飛砂対策を講じる。
「辻堂」は、沿岸漂砂の下手側に位置することから、飛砂が堆積し海岸が安定傾向にあると評価。特に対策は行わないが、飛砂の堆積が自転車道の障害となることから、この砂を片瀬西浜の侵食対策に活用する。
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