5年越しの活動が実った瞬間だった。2016年4月に由比ガ浜海水浴場が日本で初めて環境や安全に関する国際認証「ブルーフラッグ」を取得。新しい海水浴場のモデルが隣町に誕生したことは、地元藤沢にとっても大きな一歩だった。
あるとき、県海水浴場組合連合会の副会長を務める増田元秀組合長から連絡が入った。
「西浜に行ってみろ」。向かうと片瀬西浜・鵠沼海水浴場を運営する江の島海水浴場協同組合の森井裕幸理事長らに迎えられ、こう切り出された。「新しいことをやりたいんだ」。頭の中で、歯車がかみ合う音が聞こえた。
折しも組合は、森井理事長の新体制に移行して間もない頃。西浜は全国トップの海水浴客数を誇るが、全国的にレジャーの多様化や若者の”海離れ”などが進んでおり、打開策が必要だった。
「ブルーフラッグがうってつけです」。迷わず推した。環境や安全、美観の国際基準を満たした海となれば、対外的なプロモーションに役立たないわけがない。他の海水浴場との差別化にもつながるはずだ。
それに―。かつて江の島で海底清掃をした時の記憶が脳裏をよぎる。
どんな大義があっても、環境活動は地元の理解が得られなければ進まない。ブルーフラッグもしかりだ。だが、裏返せば合意形成さえできれば8割方達成できたと言っていい。「鎌倉と違い、海水浴場の開設者である組合のトップが賛同してくれるなら、絶対実現できる」。道筋は見えた。
両端を川にはさまれる西浜は水質が安定しづらく、基準が満たせるか心配はあったが、20回の水質調査は無事クリア。課題だったバリアフリー対応もマットを砂浜に敷き、スロープの介助を海の家がサポートすることで解決した。
今年2月に国内審査を通過し、4月16日、ついに片瀬西浜・鵠沼海水浴場のブルーフラッグ認証が決定。初会合から約1年半後の出来事だった。
今、コロナ禍で海水浴場にはさらなる逆風が吹く。だがブルーフラッグという”旗印”はポストコロナに向けて必ず役に立つ。認証はゴールではなく、新しい海水浴場のモデルを作るためのツールであり、ここがスタート地点だからだ。
◇
片瀬西浜・鵠沼海水浴場が今春、国際認証「ブルーフラッグ」を取得した。その意義を、NPO法人湘南ビジョン研究所理事長の片山清宏さんの視点で読み解く。
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