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藤沢 文化

公開日:2021.07.09

片瀬っ子見守る 五重塔
込められた故・甘糟氏の思い

  • 塔を前に生徒や内田誠一校長と談笑する麗子さん(右)

 片瀬中学校1階の小ホールに、高さ約3mの木製五重塔が飾られている。法隆寺にある五重塔(31・5m)の10分の1の精巧な模型で、5月23日に片瀬小学校から引越してきたばかりだ。



 五重塔は元々、地元の名士であった故・甘糟三郎氏が、自身の所有していた「海浜ホテル」(跡地は新江ノ島水族館)のロビーに展示されていた。歴史文化や建築に造詣深く、地元の諏訪神社をはじめ神仏への信仰厚かった甘糟氏が山形県の宮大工に依頼。本物同様釘は使わず、細かい金具も手作りされ、完成時は納経も行われた。



 甘糟氏が亡くなりホテルが解体されるにあたり、夫人の麗子さんらが「学びを深める教材に。甘糟に代わり子どもたちの成長を見守ってほしい」と片瀬小同窓会長を務めていた縁から寄贈。ガラスケースに納められ美術室に飾られていた。



 引越しは、仏教建築など本格的に美術史を学ぶのが中学であり、同中が修学旅行で法隆寺を訪れるため「より良い学びの場へ」と企画された。



 5日、引越し後初めて、麗子さんが同中を見学。生徒が「奈良で本物を見るのが楽しみ」と話す様子に「主人も喜んでいるんじゃないかしら」と微笑んだ。

 

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