児童養護施設の子どもを支援する「湘南ドリームプロジェクト」の代表 塩坂 信康さん 鵠沼海岸在住 54歳
海からラブもらった
○…気の合う仲間と家族に囲まれ、今日も波に乗ると身体中に幸せが満ちる。あふれるこのラブで皆を幸せにできたら――。児童養護施設の子どもたちに笑顔を届ける「湘南ドリームプロジェクト」を今年立ち上げた。「一人じゃない、あなたを真剣に思い活動している大人もいるって伝えたい」。子どもたちをディズニーリゾートへ招待する第一弾の企画は今夏、目標の3倍近く支援が集まった。
○…JPSA公認プロサーファーとして全日本メンクラスチャンピオンなど数多くの大会で戦績を残し、25年来日本のサーフシーンを牽引してきた。中学3年生で「モテるらしい」と挑戦したサーフィンで、ファーストコンタクトにして波乗りに成功。女の子でなく波に惚れ込んでしまった。当時は国内の大会も少なく若手のプロ入りの壁も厚かったが、10年をかけ、波乗りとして生きる夢を叶えた。
○…10年前拠点の千葉で東日本大震災に被災。愛する海への複雑な想いを抱きながら故郷藤沢へ戻ってきた。家族や地元の友人らに温かく迎えられ、再起を応援する支援者らの熱い声援に力を取り戻した。「人は一人だと生きられない」。いつか地域に恩返しがしたいと考えていた中、娘から児童養護施設の話を聞き、「湘南の子どもたちに夢を届けたい」と一念発起。思いを同じくする起業家、永井貴之さんと出会い、プロジェクトを立ち上げた。
○…サーフィン教室でなく遊園地行きとした理由は「子どもたちが行きたい場所だから」とシンプル。「我慢しているたくさんの願いのうち、1つでも叶えてあげたい。その体験が生きる希望になってくれたら。これは僕の新たな夢でもある」。その明るさが湘南のヒカリとなる。
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