藤沢市に2カ所の工場を持つ日本精工(本社・東京都品川区)では、同社のベアリング技術を活用した子ども科学教室を毎年夏に開いている。コロナ禍の影響で、昨年からはオンラインとなったが、今年も7月から8月にかけて行われた18回の講座に、市内の子どもたちを含む小中学生約150人が参加。ものづくりの魅力に触れた。
講座のきっかけを作った藤沢工場の梶川洋一さん(59)は「子どもたちが楽しむ姿に、次世代のものづくりの可能性が見えた」と目を細めた。
同社は軸の回転の効率化を促すベアリング(軸受け)の製造大手。シェアは国内ではトップ、世界でも3位を誇る。
講座は同社のベアリングを使った独自開発のキットを使用。摩擦により回転が軽くなったり重くなる仕組みや原理について学び、その後、ベアリングを使った「よりよい未来」をテーマにアイデアを出し合った。
梶川さんは市内在住。本社から藤沢工場に転勤した際に「地域貢献をしたい」と思いを抱いた。本社広報の発案で次世代に向けた子どもたちへの「科学教室」の方針が決まり、市の協力を得て、共催で3年前から開かれている。
講師役を務める殿谷雅人さん(42)は「技術を生かし困っている人を助けるのがエンジニア。その楽しさを実感して、興味をもってもらえたら嬉しい」と語った。同社では今後も講座を継続していく意向だ。
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