東京五輪ソフトボール女子日本代表の主将で、市民栄誉賞特別賞を受賞した 山田 恵里さん 用田出身 37歳
御所見中が私の原点
○…13年ぶりの金メダルを獲得した歓喜の夏。銀メダル以上を確定させたカナダ戦ではサヨナラの決勝打を放つなど貢献し、主将として日本代表をけん引した。08年の北京五輪での金獲得の際に藤沢で初の市民栄誉賞を受賞。この度2回目の受賞のため特別賞が贈られた。頻繁に口にするのは「恩返し」の言葉。「周りの支えのお陰で続けてこられた。恩返しの気持ちを持ち続けたい」と力を込める。
○…卓越したバットコントロールを持つことから「女イチロー」の異名を持つ。19年には前人未到のリーグ通算200打点を達成するなど、安打数や打点では歴代最多を誇る。今大会は04年のアテネ五輪の銅、北京の金に続き3度目のメダル。「金メダルを取って当たり前という重圧を抱えながらの戦いだった。金が取れて本当に良かった」と安堵の表情をみせる。
○…3歳の時に用田に引っ越し、御所見小・中学校で幼少期を過ごした。「昔と変わってない」と母校を懐かしみつつ、母校の生徒や地元住民からのエールに、胸に光る金メダルを掲げ、満面の笑みで応える。御所見中学校では、野球部で唯一の女子部員だった頃を思い出し、「御所見中のグラウンドが私の原点だなと感じた」と振り返った。
○…エースの上野由岐子選手、キャッチャーの峰幸代選手らとともに、主将という重責を背負いながら、球界をけん引してきたベテランメンバーの1人。東京五輪で3大会ぶりに実施されたソフトボールは次の24年のパリ五輪では再び実施競技から除外される。それでも「応援してくれる方々の心を動かし、夢や希望を届けられるようにがんばっていきたい」。競技の魅力を次代につなげるため、強い眼差しで未来を見据えた。