▼新型コロナ禍を境に観光客の動向が様変わりする中、藤沢市がポストコロナの観光活性化を見据えた体制づくりに取り組んでいる。四季や時間軸に捉われず、誘客を促進しようという試みで、新たな取り組みも始まった。今後、観光客が局所的に集中する「オーバーツーリズム」を解消しつつ「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」への転換は不可避であり、確立に向け取り組みを加速してほしい。
▼取り組みの一つが、11日に開幕した「江の島国際芸術祭」だ。アートと歴史を軸に新たな魅力を創出しようと初開催され、今後春の風物詩として育てていく。また市は2020年10月に市、市観光協会、観光事業者、鉄道事業者から成る「湘南藤沢ナイトツーリズム推進協議会」を発足。夜に楽しむ新たな観光の確立とともに誘客に奏功してきた。観光客の分散化を図りながらの活性化に期待が高まる。
▼国内の20年インバウンド(訪日外国人観光客)は前年比約9割減となり、それまで恩恵を受けてきた江の島も大打撃を受けた。市は景気回復フェーズに合わせた分類で、アイドリング期やアクセルオン期を経て23年度からはインバウンドを主なターゲット層とする「フルスロットル期」と位置付ける。ただコロナ以降、人々の生活様式が変容し、観光への価値観が様変わりしたことを鑑みれば、インバウンドも完全には元通りになるまい。大切なことは、コロナ禍で培ったノウハウを生かし、様々な観光様式との両立を図ることだ。イベントのデジタル化やDXによる取り組みはその切り口にもなろう。
▼市は22年度、最大の観光資源である江の島を軸に日中観光の促進にも注力する。江の島サムエル・コッキング苑を「休日別荘庭園」に見立て、10月から市民の入苑を無料にするほか、子どもが遊べる遊具やカフェも整備する。近隣観光を楽しむ「マイクロツーリズム」が注目される折である。観光客のみならず、地元市民が楽しめる観光の推進にも期待したい。
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