神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
藤沢版 公開:2022年7月15日 エリアトップへ

「海女」でなく「海士」だった 浮世絵に描かれた「夢の江の島」

文化

公開:2022年7月15日

  • X
  • LINE
  • hatena
二代喜多川歌麿「題名不詳(江の島開帳詣)」
二代喜多川歌麿「題名不詳(江の島開帳詣)」

 藤澤浮世絵館で開催中の「江の島詣と浮世絵でみる弁財天信仰の歴史」。取材中に「この作品にはある嘘が隠れている」と同館学芸員のウェイ笑さんが教えてくれた。その嘘とは「江の島には海女はいなかった」―。

 当時の江の島にいたのは男性の「海士」で、女性の「海女」の記録はないという。実際と異なる情景が描かれた背景には娯楽としての浮世絵が影響する。



 当時の江の島では「モグリ」と呼ばれる男性の漁師によるアワビ採りが主だった。男性漁は、作者不詳の「相州江ノ嶋弁才天上下ノ宮己巳年御開帳繁栄之全図」に描かれるが、それ自体が主役の作品はあまりない。

 代わりに登場するのが海女だ。二代喜多川歌麿の「題名不詳(江の島開帳詣)」では、海女が観光客と交流する姿が主題となっている。「美人画は現代のグラビアの側面も。女性の色気を出すために、服をはだけた海女は適していたのでは」とウェイさんは説明する。

 浮世絵には、画中の題材から別のイメージを連想して楽しむ「見立絵」という手法がある。「海女の作品も、絵の作意として男女を置き換え、当時の人が空想した美しい女性がたくさんいる『夢の江の島』を描いたのでは」とウェイさん。

 両作が展示される企画展は9月4日まで。問い合わせは同館【電話】0466・33・0111。

作者不詳「相州江ノ嶋弁才天上下ノ宮己巳年御開帳繁栄之全図」
作者不詳「相州江ノ嶋弁才天上下ノ宮己巳年御開帳繁栄之全図」

藤沢版のローカルニュース最新6

下土棚遊水地公園でフェス

下土棚遊水地公園でフェス

5月11日、スポーツや健康テーマ

4月24日

御所見でスマホ相談

GWに子どもフェスタ

GWに子どもフェスタ

スタンプラリーも

4月20日

自分だけの宇宙を作ろう

自分だけの宇宙を作ろう

GWワークショップ

4月20日

今はなき小字を知る

今はなき小字を知る

21日に善行雑学大学

4月19日

私立小の魅力紹介

私立小の魅力紹介

21日、テラスモール湘南

4月19日

あっとほーむデスク

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

  • 4月5日0:00更新

藤沢版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook