藤沢 文化
公開日:2022.09.02
片瀬山頂上に謎のドーム
片瀬山「腰越配水池」
「あの謎のドームはなんだろう」とずっと気になっていた。片瀬山の住宅街の中でひときわ目立つ建物。湘南モノレールの車窓から見える小高い丘のような台座の上にある灰色の平たいドームは、古代の遺跡にもUFOの基地のようにも見える。実態を追った。
地域住民が「昔から給水塔と呼んでる」と教えてくれたが「塔」とは異なる外観が気になる。
現地に向かうと、ドームは住居三階建てほどの高さのコンクリートブロックの台の上に鎮座していた。周辺を歩き、正体を発見。看板に「腰越配水池・西鎌倉加圧ポンプ所」の名が。
そこで気になるのは、その形状、役割と立地。施設を管理する県企業庁藤沢水道営業所を訪ねた。
配水池は消毒した上水を一時的に蓄え、配水量の調整や災害時の補水の役割も担う施設。
同施設が完成したのは1967年。片瀬山の住宅地造成と同時に作られ、地域のためのインフラとして一番初めに稼働したという。
大きさは直径24m、有効容量は2170t。一日当たり約1300tの水を約1800戸に供給する。水は相模川や宮ケ瀬ダムから届けられている。
形状は、正式には「プレストレストコンクリート工法」という造りで、一般的な鉄筋コンクリートより強度が高い。
山の頂上にある理由は、「高さを利用し、地域全体へ配水を行うため」。同施設の10年前に片瀬山のふもとに10倍の容量を持つ片瀬配水池が完成していたが、高台の供給が増えるために作られたのだという。
職員は「これからも、休まず働き、丘の上から暮らしを見守り、地域を支えてほしい」と話した。
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