藤沢 社会
公開日:2022.09.30
「還付金詐欺」昨年県内で最多
「オレオレ」も根強く注意
藤沢市内での特殊詐欺の認知件数は今年8月までに61件、被害総額は7876万円にのぼることが藤沢・藤沢北両署への調べで分かった。昨年は医療費の払い戻しなどをかたる「還付金詐欺」の藤沢市での発生件数が県下ワーストに。全体の発生件数は減少傾向だが、古典的な「オレオレ詐欺」への回帰も目立ち、両署は「『次は自分』と心構えを」と注意を促す。
5件に1件が藤沢
認知件数と被害額は、藤沢署管内が33件、約3529万円、藤沢北警察署管内が28件、約4347万円。発生件数のうち両署とも約半数ずつが還付金詐欺とオレオレ詐欺が占める。
中でも全国的に増加が目立つ還付金詐欺。県内54署のうち、昨年は藤沢署が33件で最多、北署が26件で2番目に多かった。県内で発生した同詐欺のうち5件に1件は藤沢で起きた計算になる。
手口が巧妙化
両署とも、手口が巧妙化し「知っていてもだまされる」被害者が増えているという。
還付金詐欺の多くは、まず、市役所など公的職員を名乗る人物が「医療費の返還」や「介護保険料の払い戻し」などと案内、利用している金融機関を聞き出す。その後、金融機関の職員を語る人物から電話があり、「返金の手続きのために銀行やATMへ行くよう」求め、電話で指示された手順の通りに進めた結果、詐欺口座へお金を振り込んでしまった、という段階を踏んだケースが多い。
オレオレ詐欺は、息子や孫など親族を名乗り、かばんや書類を失くしたなどと相談を持ち掛け、最終的に金銭を要求する手口が多い。最近は、声が違うことに違和感を持たれないよう「コロナにかかって喉の調子がおかしい」と前置くケースもあるという。
電話の設定で阻止
対策について藤沢署は「できるだけ犯人と話さないこと」をあげる。
会話をすると巧みな話術に乗せられだまされる確率が高くなるため、自動録音機能の付いた電話や留守番電話の設定で、犯人との接触を減らすことが肝要という。
犯人は信ぴょう性を高めるため息子や上司、金融機関の職員など様々な役割を複数人で演じる。電話も複数回かけてくる場合が多く、最初の「前兆電話」の時点で一度電話を切り、家族など周囲の人に相談するといった冷静な行動をとることが必要だ。
両署では金融機関や民間企業と連携し、水際対策に注力。「『市役所』『医療費』『ATM』の3つの言葉がそろったら絶対に詐欺。家族を名乗る人物から電話でお金を要求されても詐欺を疑って」と呼び掛ける。
自身のことでも周囲のことでも、少しでもおかしいと感じたらまず警察へ相談を。(問)藤沢署【電話】0466・24・0110、藤沢北署【電話】0466・45・0110
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