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藤沢 社会

公開日:2023.04.28

地方政治と向き合う機に
デスク・レポート

 ▼知事選の告示から約1カ月に及んだ統一地方選が終幕し、藤沢でも新たな36人の市議が誕生した。女性が当選者の上位3人に名を連ね、改選前と比べても4人増えた。女性の政治参画の推進に向け、当事者の視点が市政に反映されるさらなる契機にもなろう。また女性に限らず、当選者はいずれも市民の代弁者だ。間接民主制の仕組みの中で、監視役として市議が果たす役割はもちろん重く、市政運営の両輪の一つとして4年間の職責を全うしてもらいたい。

 ▼日々の買い物で物価高を実感し、賃金は上向かない。政治への諦観がまん延して久しく、「どうせ変わらない」。そんな有権者の思いが過去2番目の低さだった投票率とも重なる。だが、言うまでもなく政治の主役は我々有権者だ。投票はもっとも大切な民主主義のプロセスだが、それは政治参加への一歩に過ぎない。候補者が選挙戦で掲げた公約や解決すべきと訴えた地域課題に向き合っているのか。我々が監視の眼差しを向けることが、健全な地方自治を育むことであり、ひいては暮らしやすい地域社会の形成につながる。

 ▼湘南を代表する観光都市で自然があり、利便性も高い藤沢市。少子高齢化にあって未だ人口は微増傾向にあり、全国的に見ても「元気都市」の部類と言える。一方、藤沢駅周辺の再整備や村岡新駅(仮称)の設置、西北部のまちづくりなど今後は大型の都市開発がたて続けに進んでいく。将来的な人口構造の変化は藤沢とて不可避で、財政面での持続可能性も欠かせない。過渡期にある街の行く末を、政治家だけに委ねてはなるまい。

 ▼大切なことは、市民一人ひとりが地方政治に関心を向けることだ。国地方を問わず、政治に無関心でも無関係ではいられない。最も身近な地方政治は、良くも悪くも政策の一つひとつが市民生活に直結する。今では議会の様子をインターネットを通じて気軽に見ることもできる。選ばれた市議のその後の「4年間」を注視し、地方から民主主義を育みたい。

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