藤沢 人物風土記
公開日：2023.06.16
藤沢市民病院の院長を務める
西川 正憲さん
横浜市金沢区在住 62歳
医は仁術の体現者
○…４月の就任から２カ月を振り返って「本当にあっという間。気が付いたら６月になっていた感覚」と、激務の日々も快活に振り返る。湘南東部地域の中核医療拠点として、近隣他市からの急患も多い藤沢市民病院。病床数５３６、スタッフ１７００人以上を取り仕切る重責を担う。新採用の職員でもベテラン医師でも、何かを伝える時は足しげく自ら各部署に赴く。直接会うことで、気持ちも伝える。
○…医療人として、やはりコロナ禍は青天の霹靂。「大きなクラスターを出すことなくここまで来られたことは、スタッフに本当に感謝したい」と労う。感染症法上の５類移行により社会の制限が撤廃されていくなかでも、院内では感染対策が求められる。「いつ変異が起きるかも知れないという緊張感は、常に持ち続けています」。柔和な表情が一変。生命を預る気概が満ちる。
○…幼少の頃に弟を病で亡くし、「悲しみを少しでも減らしたい」と、医師の道を選んだ。大切なのは心。機械的に治療するのではなく、患者のこれまでの人生に寄り添い、支える。特に尽力したいのは、再開した入院患者と家族の面会促進だ。「ご家族に会うことは患者にとって大きな力になるし、普段の生活を聞くことは医師にとっても貴重な情報になる。とても大切な時間なんです」。コロナ禍で止まっていた３年間を乗り越えて、地域と医療をつなぐ絆を再構築する。
○…夫人との間に２子に恵まれた。医療現場を離れた時の休息は、東北の温泉巡りが最近のマイブーム。「いかにも日本という趣が良い」と満面の笑み。若い頃から旅行好きで、自他ともに認めるディズニーファン。好きな作品を聞くと「良いのが多すぎて決められないよ」と腕を組む。
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