藤沢 スポーツ
公開日:2023.10.06
当番制廃止や怒らない指導、試行錯誤
子どもの「野球離れ」活路は
野球人口の減少が加速している。特に深刻なのが次代を担う子どもたちの「野球離れ」だ。全国では小中学生の野球人口が2007〜20年の間に約66万人から約40万人に減少。藤沢市野球協会によると、市内の学童野球でも2006年から23年までに2割以上が減った。そんな逆境に歯止めをかけようと、子どもが他の習い事と両立できるようにしたり、保護者負担を減らすなど試行錯誤の取り組みが広がっている。
8月の市野球協会学童部新人大会。市内のグラウンドで違うユニフォームを来た子どもらが同じチームで戦った。「新林ロッキーズ」と「ビッグロード」。いずれも別々の小学校を拠点にしており、低学年単独ではチームが編成できないため、合同チームを組んだ。
「地域の野球人口は減少の一途。運営方法を工夫し、参加しやすい環境づくりに取り組んでいるが、思うように人が集まらないのが実情」と新林ロッキーズマネジャーの藤岡審也さんは話す。
同協会学童部によると、市内の学童野球人口は年々減少し、06年に1210人だった登録者は23年には934人に減った。かつては市内35ある小学校ごとに1、2チームあったが、先の新人戦では27チームの出場にとどまる。
同協会副会長で学童部担当の飯田昭さん(78)は「少子化の影響で競技人口が減っているのは野球に限らない」とした上で、減少の要因として競技種目の多様化や保護者負担、道具の購入費用などをあげる。「かつてよりも共働き世帯が増え、負担が重荷に受け取られる傾向にある。旧態依然とした指導方法など負のイメージも少なからずあると思う」と分析する。
保護者負担を軽減
保護者が敬遠する手伝いの当番制を廃止したチームもある。羽鳥小学校などで活動する「羽鳥ファイターズ」では、数年前から給水や送迎などの当番を撤廃し、任意の協力に切り替えた。コーチのほとんども選手の保護者で、都合がつくときだけ加わるスタイルだ。
半年前から息子と参加している小林裕史さん(44)は「当番だと心理的な負担も大きいが、任意なので無理なくできている。子どもと一緒に楽しく野球ができている」と笑みを浮かべる。
同チームではメンバーが20人を切った時期もあったが、現在は36人と倍近くに増え、一昨年5月には女子単独の「羽鳥ガールズ」も発足した。
楽しさ第一に
また同チームが掲げるのが「怒らない指導」だ。指導者の罵倒など旧態依然とした指導について10年来監督を務める中村頼彦さん(57)は「そもそも野球はミスをするスポーツ。頭ごなしに怒鳴ってもためにならない。大事なのは子どもがいかに楽しくプレーできるか」と指摘する。同チームでは昨年卒団した9人全員が進学後も野球を続けているといい、成功体験や楽しさが競技の継続につながると実感している。「かつて運動神経が良い子は野球を選んだが、今はそうではない。野球が選ばれるためには子ども目線に立つことが不可欠」と話した。
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