不登校を支援する「藤沢こどもの多様な学び応援団」の代表を務める 米澤 美法さん 東京都在住 51歳
一人で悩まないで
○…約29万9千人。文科省が公表した昨年度の小中学生の不登校数だ。前年比2割増で過去最多を更新した。その根本的な原因を、大人はどれだけ理解しているだろう。新型コロナがあった。不登校への理解が進んだから―。それだけであるはずがない。「今の教育が時代に合っていない。そのあらわれだと思う」
○…2児の母。次男が小学5年生で不登校に。学校に拒絶反応を示すようになり、包丁を取り出して死のうとしたことさえあった。困惑した。学校以外の選択肢を知らなかったから。だから勉強した。不登校の実態、教育の現状、海外ではどうか―。調べるほど不登校が問題なのではなく、受け入れられない社会こそが未熟なのだと分かった。だから、息子のことは見守ることにした。中学生になってぽつりと言われたひと言が忘れられない。「自由にさせてくれてありがとう」。全てが報われた気がした。
○…必要なのは、多様な学びを支える受け皿だ。そんな思いから藤沢市内のフリースクールや居場所を提供する団体をつなぐ応援団を立ち上げた。現在20団体が参加し自らもNPO法人自由創造ラボたんぽぽの代表も務める。利用者が自分に合った場所を見つけられるよう、将来的には不登校に関わる全団体のネットワーク化を構想する。
○…3月に住み慣れた辻堂を離れ、夫の両親が住む都内に移住した。今も活動の軸足は藤沢で週に1、2度は足を運ぶ。長男も次男も不登校を支援する活動を応援してくれており「晩御飯を作ってくれたり。ありがたいです」と相好を崩す。不登校の増加は右肩上がりで、誰でもが当事者になり得る。「まずは不登校について知ってほしい。一人で悩まず、色々な選択肢があると知れば必ず道は開けるから」
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