藤沢 社会
公開日:2024.03.08
大庭小野口君
髪を寄付「困っている子に」
母親とヘアドネーション
医療用ウィッグ(かつら)を作るために髪を寄付する「ヘアドネーション」に大庭小学校6年生の野口隆之介君(12)が初挑戦した。病気や事故で髪を失った子たちがいると知り決心。学校でからかわれることもあったが、思いを貫いた。
野口君は3年生のとき、漫画のキャラクターに憧れて髪を伸ばし始めた。切ろうかとも考えたが、父の隆行さん(51)からヘアドネーションのことを聞き、「困った人のためになるなら」と母の麻里子さん(38)と一緒に挑戦することに。4年間で腰まで伸びた髪の毛は64cmにもなった。
何度も女の子に間違えられ、学校でもからかわれた。「傷つく姿を見ていたので止めても良いと言ったが、一度決めたらやり通す性格」と麻里子さん。日々の手入れや乾かすのにも時間と根気を要したが「みんなの役に立ちたい」と諦めなかった。将来の夢は医者になって人を救うことだ。
卒業式前に髪の毛を切ろうと3日、美容室に緊張した面持ちで座った野口君。散髪を終え、「すっきりして頭が軽くなった」と笑顔を見せた。切り終わった48cmは麻里子さんがカットした髪と一緒に小児がんの支援をしている団体に寄付する予定だ。
息子の4年間の努力を見てきた隆行さんは「誰かのために取り組める姿勢は我が子ながらあっぱれだと思う」と称えた。
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