遊びを通して自然に手話を習得するイベント「しゅわまる」が先月16日、藤沢市役所本庁舎で行われた。聴覚に障害のある未就学児と保護者ら約50人が参加し、手遊びやゲームを通して手話と触れ合った。
マットの敷かれた会場でスタッフが大きく手招きすると、子どもたちの視線が集まった。大きなモニターに参加者の写真が映し出され、皆で探して手話で自己紹介が行われた。この他にも、桜色の紙をちぎって丸め、枯れ木の絵に張り付けると桜が満開になり、木が掲げられると会場から大きな拍手が響いた。
しゅわまるは、(一社)神奈川県聴覚障害者連盟が2020年から行っている。これまでに藤沢市役所分庁舎などを中心に県内のろう学校などでも開催。22年度は対面とオンラインで18回行われ、障害児や家族など計千人以上が参加した。プログラムはシルエットクイズやリズム遊びなどさまざまで、子どもたちが積極的に参加できるよう工夫されている。
幼少期の親子の触れ合いは、子どもの情操教育に大きな影響を与えるといわれている。聴覚に障害のある人にとって手話は重要なコミュニケーション方法だが、しゅわまるに参加する県聴覚障害者協会の小菅秀さんは「子どもに聴覚の障害があっても、保護者が手話を使えないことも多い」と現状の課題を語る。「聞こえの程度なども人それぞれ」といい、誰もが楽しみながら手話を身に着けることを重視している。「子どもたちが自信を持って育っていけるように、手話を一人でも多くの人に広げていけたら」と展望を描く。
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