28日に演劇公演を行うNPO法人「ドリームエナジープロジェクト」の代表 内海 智子さん 本藤沢在住 65歳
心の豊かさ、伝えたい
○…障害のある若者に歌やダンス、演劇、美術、英会話といった講座を通じ、学びと体験の場を提供する「ドリームエナジープロジェクト」。2013年に法人を立ち上げた。演劇『凛と生きる〜いのちの星に生まれて〜』の公演を間近に控え、「ダウン症や自閉症の人の内面が伝わる舞台になれば」と意気込む。
○…息子は2歳を迎えた頃に、ダウン症と診断された。「ちゃんと育てられるのか」と不安が募る日々。そんな折、同じ障害のある俳優が主演する仏映画『八日目』と出合った。カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した彼を見て「障害の有無に関わらず人には無限の可能性がある」と希望をもらい、歌やダンスが好きな息子にも市民ミュージカルや演劇の舞台に出演させた。「懸命に練習した成果として拍手をもらえる喜びは自信につながるし、何より楽しそうな姿を見るのがうれしかった」と目を細める。
○…これまでNPOのほか、ミュージカル団体の神奈川支部や障害者のための芸能プロダクションも設立。絶えず挑戦を続けてきた原動力は、子どもたちの笑顔にあった。「彼らには一見難しいと思うことでも、『きっとできる』とヒントを教えて見守る旗振り役だった」と振り返る。
○…公演で披露する演劇は完全オリジナル。他の舞台から心に残ったセリフや場面転換を学び、また過去にライター職に就いていた知見を活かし、脚本を執筆。前回の公演では津久井やまゆり園事件の犯人が話せるかどうかで命の価値を決めたことに憤りを感じ、脚本に書き出した。今回上演するのは、そのセルフリメイク作品だ。「障害のある人は話すことが難しくても、心の中に優しく豊かな世界を持っている」。生きるとは何かを観客に問いかける。
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