災害時に市民の受け入れ先となる避難所の運営シミュレーションや課題を語り合う研修が21日、市消防局南消防署で行われた。「自助」「共助」「公助」を改めて確認し、けが・障害のある人や妊婦、高齢者など配慮すべき避難者への対応を学ぶことなどを目的に、藤沢市が企画した。当日は、市内13地区拠点で働く避難所従業員ら61人が参加。カードゲームによる災害図上訓練では、避難者の受け入れなどで難しい判断を迫られることが多く、さまざまな課題が浮き彫りになった。
市職員は5〜6人のグループに分かれ、図上訓練「避難所運営ゲーム(HUG)」を行った。「避難所」「運営」「ゲーム」の頭文字を取ったカードによるシミュレーション。参加者は避難所を運営する立場となり、1人がカードに記載された性別や年齢、特徴などを読み上げ、残りの人は図面に受け入れた避難者の配置と記録を行う。
ゲーム上での災害状況は冬の日曜、午前11時に震度6強の地震が発生し、小学校が避難所となり、電気・ガス・水道が止まっている設定。市職員らは図面に通路や教室の使い方を記入しながら、車いす利用者や足の不自由な人は1階に避難させ、赤ちゃんがいる場合は授乳室を設け、ペット同伴の家族は別部屋へ移動させるなど、焦りの表情を見せながらゲームを進行していった。
研修終了後、市危機管理課は「実践を想定した時間制限のある中で皆決断した。正解はないが、経験を積むことでより市民に寄り添った対応ができるので、今後も取り入れていきたい」とした。