藤沢 人物風土記
公開日:2025.02.14
50周年を迎えた藤陶会の発足メンバーとして活動する
八ツ橋 博美さん
横浜市栄区在住
土と灰が織りなす美
○…「野山を散策しながら目に映った自然を、作品に落とし込むこと」を陶芸の魅力とする。稲荷のやすらぎ荘を拠点に活動し、50周年を迎えた陶芸サークル「藤陶会」の発足メンバー。市民の創作活動を支えるとともに、自身も市美術家協会に所属する陶芸家として活動する。
○…20代の頃、社会福祉協議会に職員として勤務し、やすらぎ荘の運営を担う中で、会の設立に携わった。最初は手伝いのみだったが、しだいに作品や技に魅了されていく。熱心に教えを乞う中で、同会で講師を務めていた美濃焼直系の加藤皇さんに弟子入りした。
○…師から教わった陶芸の真髄は「一焼き、二土、三形づくり」。約15時間かけて窯で焼き、空気の量を調整し赤みを出す工程は、ろくろを回す成形や、釉薬を使った色付け以上に重要であると学んだ。美濃焼の中心地である岐阜県多治見市に修業に赴くなど研鑽を重ね、30代で自宅に窯を設けた。「市展に初参加したときは、やっと一人前になれたと感じた」。その後、師の推薦を受けて市美術家協会に入会した。協会の会長職も歴任し、創作とあわせて後進の育成にも励む。市内での美術振興における今後の課題として、窯などの設備がある施設の少なさや、若い人への発信などを挙げ「体験教室などをどんどんやっていきたい」と意気込む。
○…好みの焼き方は、釉薬を使わずに灰でいぶす「炭化焼成」。土と灰が一体となり、自然の風景のような深みのある陰影が表面に浮かび上がる。最近はYouTubeで新たな焼き方を研究するほか、創作に悩んだ際には弁当を持参し、鎌倉の山中に足を運んで自然観察を行う。「人と違うものが作りたい。体が元気なうちは続けていく」と力を込めた。
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