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藤沢 文化

公開日:2025.10.03

商店街が大好きだ Vol.5
心通わす、歴史の交差点
長後商店街協同組合 齋藤伸一組合長

  • 商店街企画の拠点となってきた会館の前に立つ齋藤さん

 かつて大山街道と滝山街道を結ぶ交通の要として栄えた宿場町・長後。歴史あるまちで、周辺住民の生活の中心を担ってきたのが、長後商店街だ。「生鮮食品の商店にスーパーマーケット。本屋、着物屋、洋服店。何でもそろう場所だった」。こう語るのは長後製パン(株)の齋藤伸一さん(64)。同商店街協同組合で現組合長を務めている。

 戦前には宿場町として栄えたが、高度経済成長期には小田急長後駅の利用者を中心に、商店街も活気づいた。3交代で働くいすゞ自動車(株)の従業員たちや、遊園地「ドリームランド」に向かう家族連れ。地下鉄がなかった時代には綾瀬、大和、座間方面から長後を経由する人も多く、広域から人が集まる中心地としてにぎわった。

 長後商店街協同組合は駅を囲む6つの商店会代表者が集う場として設立され、行政と個々の加盟店との橋渡し役を担ってきた。しかし、長い歴史の中で商店街も組合も規模が徐々に縮小。最盛期には100以上あった加盟店数は、現在24店舗のみだという。

 だが、ただ衰退を見守るだけではない。同商店街の最も大きな特徴は、SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)の学生など若い世代との協働だ。地域イベントを共に企画し、学生の斬新でユニークな意見を積極的かつ柔軟に取り入れる。AIやSNSを活用したイベント運営は、その姿勢を如実に表す。

 齋藤さんが理想に掲げるのは「会話ができる商店街」。「ただ単に買い物の場を提供するのではなく、気軽に話したり、お客さんが困ったときには相談に乗ったりできるような温かい場を目指したい」。歴史あるまちで、世代を超えて新たな活気を生み出していく。

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