第59代鎌倉市議会議長に就任した 伊東 正博さん 鎌倉山在住 63歳
身近な議会へ 具体策急ぐ
○…「市民と議会との距離を縮める具体策を示したい」。その目標を掲げ、鎌倉市議会の舵を取る。
○…首長と議会による「二元代表制」について、「戦後間もない頃につくられた制度」として、60年以上経った現在、制度疲労を指摘する。これまでの選挙は、「あの人なら大丈夫」というような、人物に対しての一票だったが、今は政策ごとに判断する選挙に変化してきた。「そうなると、4年に1回選んで後はすべて任せるという今のやり方では、市民との距離は縮まらない」。そこに危機感を持つ。「市民と議会とのキャッチボールをどのように行うか、直接対話や市民アンケートなど、具体策を検討している」と話した。
○…鎌倉市が抱える課題として、今後のごみ処理を挙げる。市内名越と今泉の焼却所の内、今泉は2015年度末の廃炉が決定している。松尾崇市長は、市民・事業者にごみの分別と減量化を徹底することで、焼却ごみの排出量を削減し、名越のみで対応する計画を提示している。それに対して議会は「それだけで果たしてよいのか」と疑問符。「ごみの減量化は大いに進めるべきだが、その先の『処理』は地方自治体の仕事」として、万が一のためにも確実にごみを処理できる体制が必要と訴えている。
○…鎌倉市には小学校進学を機に越してきた。御成小から栄光学園中高と進み、中央大学法学部卒。父の呉服屋、そして商業ビルの企画業を経て93年に市議会初当選。現在連続の5期目となる。息抜きは、スポーツ観戦という。「陸上やアメフト、サッカーなど好きですね。テレビのチャンネルを独占すると妻に怒られます」と笑った。また、お酒も欠かせない人生の潤滑油だという。
○…新議長として、「市民の皆様には議会にどんどん意見を寄せて欲しい。多種多様な意見を反映することで、市民のための議会になる」と語り、その垣根を下げる役割に尽力する。