「武家の古都・鎌倉」の世界文化遺産への推薦が先月25日に正式決定し、政府は27日(日本時間)、パリのユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出した。今後、夏から秋ごろに、イコモス(国際記念物遺跡会議)による現地調査が行われ、来夏の第37回世界遺産委員会で登録の可否が審議される予定。鎌倉が国の暫定リストに記載されてから20年、大きな節目を迎えた。
先月25日に、外務省主宰の「世界遺産条約関係省庁連絡会議」が同省で開かれ、日本政府として「富士山」とともに「武家の古都・鎌倉」をユネスコに推薦することが正式に決定した。
世界遺産として認められるには、顕著な普遍的価値が必要とされており、「武家の古都・鎌倉」のそれは、貴族支配を変革した武家政権発足の地であることや、切通・やぐら等に見られる山稜部と一体となった稀に見る政権所在地の類型などがあげられる。
構成する資産は横浜市と逗子市にまたがり10からなる(表参照)。寺院や神社の建物だけでなく、鶴岡八幡宮や寿福寺、建長寺に鎌倉大仏などを含む、山稜部全体が1つの「構成資産」として考えられている。
これらの資産は、「古都保存法」によって保護されており、資産の周りに位置する緩衝地帯も同法や景観法、風致地区条例により開発等には一定の規制がなされている。
鎌倉が世界遺産登録に向けた暫定リストに載ったのは1992年、国が「世界遺産条約」を締結した年だ。
同時に記載された法隆寺地域(奈良県)や姫路城(兵庫県)、古都京都などはすでに世界遺産に登録されており、同期で未登録は彦根城(滋賀県)と鎌倉のみ。
登録の可否が判断される世界遺産委員会の決議の種類は4つある。明確に可否を示す2つの決議の他に、追加情報を求めて次回以降に再度審議する「情報照会」、また平泉(岩手県)に示された推薦書の本質的な改定を求め再度現地調査を要する「記載延期」がある。平泉は、再度推薦書を提出し昨年6月に、世界遺産に登録されている。
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