鎌倉学園高校出身。「東京箱根間往復大学駅伝競走」で5位入賞の青山学院大学をけん引した 川村 駿吾さん 葉山町在住 22歳
「努力」という才能
○…今年1月に行われた「東京箱根間往復大学駅伝競走」(箱根駅伝)で、5位に入賞した青山学院大の主将を務めた。「3強」の駒沢・早稲田・東洋に迫る躍進だった。「上位が崩れず、目標の3位には届かなかったが、自分たちの力としては最高の結果」と振り返る。
○…「主将だったけど、頭抜けたセンスがあるわけではない」と話す。ただ、理想のチーム像はある。「狙った試合を外さない、そこに照準を合わせていけるチーム」だ。そのために「挨拶や時間を守るといった当たり前のことをコツコツやる。その大切さを浸透させるように気を付けた」と話す。
○…座右の銘は「能力の差は小さい。努力の差は大きい」。誰の言葉かは分からない。だが、「実は家の辞書に書いてあったんです。手書きで」と明かす。「一つ一つ」「コツコツと」という言葉に、ストイックに努力する性格がうかがえる。「叱られて伸びるタイプ」という。他人の痛みが分かる主将だったのだろう。
○…出会いに恵まれた。葉山中学校時代の恩師、野口司先生は「走ることの楽しさ、原点」を教えてくれた。鎌倉学園高校の保田進先生から学んだことは「走ることの厳しさ」。隅から隅まで走り回った鎌倉は「タクシーの運転手より詳しい」とおどけた顔を見せるも、厳しい練習の話になると「少しトラウマになっているかも」と真顔に。青学大の原晋監督には「けっして褒められなかった。満足せずに先を目指すことを教えられた」。「今思えば怒られているうちが華だったなと。本気で怒られたことは覚えている。うわべだけの言葉じゃすぐ忘れますから」と振り返り、「人間的に成長させてもらった」とした。
○…春からは地元湘南のプレス工業(藤沢市)に活躍の場を移す。「まずは目先の課題をつぶしていく」としながらも「ニューイヤー駅伝や日本選手権でアピールして、もっと上を目指していきたい」と、未来に向けさらなる飛躍を誓った。