防犯ボランティア団体「町内ミルミル隊」の隊長を務める 後藤 由香さん 逗子市在住 44歳
地域の安全見守る「眼」に
○…鎌倉市内2つの販売店に所属する17人の「ヤクルトレディ」たちが、高齢者世帯の見守りや振り込め詐欺などの予防に乗り出すことになった。今月10日、鎌倉警察署と連携して発足した防犯ボランティア団体「町内ミルミル隊」の隊長を務める。隊の名前は腸内を整える同社の主力商品と町内の見守りをかけたもの。「お巡りさんが考えてくれたのですが、すごくいいでしょう」とほほ笑む。
○…きっかけは、毎日商品を届けている鎌倉署生活安全課の署員からの打診。戸惑いもあったが、その時自分の顧客の顔が浮かんだという。「高齢者の一人暮らしや夫婦だけのお宅も増えている。私たちにできることがあるなら協力したい」と感じた。同僚や上司も協力的で、結成の話はトントン拍子に進み、自然と「隊長」に推された。
○…東京都三鷹市出身。26歳の時、結婚を機に市内材木座に住まいを移した。1男1女に恵まれ、慌ただしく子育てをしていた12年前、自宅に来ていた「ヤクルトレディ」から持ちかけられ仕事を始めることに。学生時代テニスに打ち込み、体力には自信があったが「最初の頃はとにかく辛かった」と振り返る。それでも顧客が増えるにつれ、仕事の楽しさも増していったという。「『あなただから買っているのよ』と言って下さるお客様もいます。そういう時は本当にやりがいを感じますね」としみじみ。時には人生の先輩たちに家事や育児のアドバイスを求め、つい話しこむことも。長い時間をかけて信頼を築いてきた顧客との関係は、仕事だけでなく人生の大きな財産になっている。
○…現在は逗子市在住だが、プライベートも鎌倉で過ごすことが多く「第2の故郷」への思いは強い。「商品だけでなく、隊の活動を通じて地域に安全を届けたい。そして鎌倉が少しでもいいまちになったらうれしい。ちょっと大げさですけれどね」。はにかんだような笑顔が印象的だった。