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鎌倉 人物風土記

公開日:2013.08.30

8月1日付で教育長に就任した
安良岡(やすらおか)靖史さん
茅ヶ崎市在住 58歳

全ての経験子どものために



 ○…市長と議会との対立もあり10カ月にも及ぶ空白が続いた教育長に、このほど就任した。「役割の重さにどう応えていくか。今は不安が大きいが、子どもが未来に夢を持ち、教師が力を発揮できる現場作りに取り組みたい」と語る。図らずも注目を集めることになったが、力みは感じられない。質問に対する簡潔で明瞭な答えからにじむ、実直な人柄が印象的だ。



 ○…出身は栃木県小山市。幼い頃から手先が器用で、中学校では技術の授業に夢中になった。相模工業大学(現・湘南工科大学)に進むと自然と教師を志すように。1977年、第一中学校で技術科の教師としての第一歩を踏み出した。「できた、という瞬間の子どもの目の輝きが何よりうれしくてね」とモノ作りの楽しさを丁寧に伝えてきた。市立小学校の校長や教育委員会での勤務を経て、この春から市立稲村ケ崎小学校の校長に。5年ぶりの「現場復帰」で充実した日々を送っていただけに、教育長への打診には戸惑いもあったという。それでも「誰かがやるべき仕事。鎌倉の教育を前に進めたい」という思いが最後には勝った。



 ○…子どもの成長を間近で見てきたからこそ感じるのは、子どもの「話を聞いてもらいたい」「誰かに認めてもらいたい」という気持ち。「これまで鎌倉の教育が取り組んできたのは、そうした一人ひとりの子どもに丁寧に向き合うということ。それをより充実させたい」。教育論になると自然と口調が熱を帯びる。



 ○…二人の子どもはすでに独立し、現在は妻と二人暮らし。2歳になる孫娘が訪ねてくるのが何よりの楽しみだが「娘は私がいない時にばかり孫を連れてくるんですよ」と苦笑い。鉄道が好きで模型集めや旅行も趣味だが、そうした時間がとれるのはもう少し先になりそうだ。「教員としての経験の全てを、鎌倉の子どもの未来のために活かしたい」。その目にもう迷いは見られない。

 

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