清泉女学院中学高等学校の音楽部顧問を務める 佐藤 美紀子さん 由比ガ浜在住 55歳
「清泉サウンド」支え20年
○…昨年7月にオーストリアで行われた合唱の国際コンクールで最優秀に輝くなど、目覚ましい活躍が続く清泉女学院中学高等学校の音楽部。20年以上、顧問として同部の指導にあたってきた。「練習を重ね、晴れの舞台に立つと生徒たちの顔がぱっと輝く。清々しい姿を見るのが何よりの喜び」と笑みを浮かべる。
○…由比ガ浜で生まれ育った。幼いころから歌うことが好きで、学芸会では「歌が上手だから」と主役に抜てきされたことも。中学校から清泉女学院に通い、音楽部で合唱に親しんだ。「皆で力を合わせて作品を作る魅力に夢中になった」と振り返る。横浜国立大学に進学後は生態学を専攻し山地へ研究調査に出かける傍ら、学外の合唱団「晋友会」に所属し全国各地で歌唱を披露した。「オーケストラと共演したり、30代までにやりたいことはやりきった。忙しかったけれどね」といたずらっぽく語る。
○…大学卒業後、生物教師として母校に。音楽部の顧問に就任したものの、「10年ほどは研究と教育、晋友会の活動に没頭していた」。そんな折り、音楽部が全国大会へ進出。「この栄光を支えるために更なるエネルギーをかけなくては」と指導により力を注ぐようになった。校則により、午後5時過ぎには帰宅しなくてはならないため、他の強豪校と比べ練習時間は決して多くない。だからこそ重点を置いてきたのが基礎練習。発声のための体力作りから徹底的に行い「ハンデ」を補ってきた。「子どもたちには歳を重ねても歌を続けて欲しい。実は最近、卒業生による合唱団もできたんですよ」と目を細める。
○…学院の教育方針に沿った宗教曲に加え、現代の難曲にも果敢に挑んできた同部。磨き続けてきた「清泉サウンド」が1月11日の定期演奏会で披露される。「うちの強みは中学生から卒業生までがともに練習し刺激し合えること。清泉らしい音楽を多くの人に楽しんでもらいたい」と語った。