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県しらす漁業連絡協議会 「漁業者の甲子園」で2位 6次産業化に高い評価

社会

掲載号:2014年3月21日号

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「しらすの沖漬け」など自ら漁獲、加工した商品を手にする安齊さん
「しらすの沖漬け」など自ら漁獲、加工した商品を手にする安齊さん

 3月11日に解禁されたしらす漁。鎌倉を含む県内しらす漁業者で作る「神奈川県しらす船曳網漁業連絡協議会」がこのほど、漁業者の全国大会で2位となる水産庁長官賞を獲得した。評価されたのは、全国でも先駆け的存在として注目される「6次産業化」の取り組み。同大会では市内坂ノ下の漁師・安齊大輔さんがプレゼンテーションを行った。

 「第19回全国青年・女性漁業者交流大会」は3月4日、5日の2日間、東京都千代田区で開催された。全国漁業協同組合連合会が主催する同大会は「漁業者の甲子園」とも言われ、今回は38団体が参加した。

 安齊さんが登場したのは、付加価値向上を通じて流通・消費の拡大を図る第3分科会。「しらすMY LOVE・湘南しらすは世界一!」と題し、「神奈川県しらす船曳網漁業連絡協議会」が取り組む6次産業化について発表した。

漁獲から販売を一手に

 県内のしらす漁業者が、漁獲だけでなく加工や販売に取り組むようになったのは30年ほど前という。それまでは各浜に加工業者がおり、漁業者は水揚げした魚を業者に渡すことが一般的だった。

 しかしこれら加工業者の廃業が相次いだことから、一部の漁業者が自ら加工、直売を始めた。当初は品質の安定化など苦労も多かったものの、評判が広まり顧客も増えたことから、現在ではほとんどのしらす漁業者が、漁獲、加工、販売を一手に行っている。

 同協議会は1989年に発足し現在は46人が所属する。研修会の開催のほか、ブログの開設による直売所やイベント等の情報発信、レシピ本の制作などを通じて、漁業者をバックアップしている。近年は新製品の開発にも力を入れており、鎌倉の料理研究家・矢野ふき子さんと開発した「しらすの沖漬け」などの商品が産まれている。

 今回こうした取り組みが6次産業化の先駆的事例として高い評価を受け、農林水産大臣賞に次ぐ水産庁長官賞を受賞した。安齊さんは「神奈川県初の1位を狙っていたので悔しい思いもあるが、評価されたことは励みになる」と話す。

「漁業の新しいモデルに」

 今回の発表者に抜擢された安齊さんが、しらす漁を始めたのは5年前。祖父や父も漁師で、高校卒業後、定置網漁に就いていたが、生産から販売まで手がけられることに魅力を感じ参入を決めた。

 船や漁具だけでなく、加工場や直売所の整備が必要で初期投資がかさんだうえ、1〜2年は漁獲も安定せず、苦労が続いたという。

 普段は夜明けとともに漁に出て、浜に戻るとすぐに加工。直売所での販売や契約する飲食店への配達など忙しい日々が続く。

 販路の拡大やブランド化など課題も多いが「頑張った分が全部自分に返ってくるのが、漁業の一番の魅力」と笑顔を見せる安齊さん。最近は若い漁業者から相談を受けることも多く「後に続く人のためにも漁業の新しいモデルを作っていきたい」と話している。

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