60周年を迎えた鎌倉由比ガ浜中央商業協同組合の理事長を務める 増永聖(きよし)さん 稲村ガ崎在住 59歳
由比ガ浜の伝統を後世へ
○…由比ガ浜大通りの78店舗からなる鎌倉由比ガ浜中央商業協同組合。今年で設立から60年の節目を迎え、8月3日には納涼会を開催する。16代目の理事長に就き、3年目。「初代の安齊斌会長から60年もの長い年月、商店会を盛り上げまとめてきた先人たちの業績には本当に感謝している。自分もこの伝統を後世に伝えられるよう頑張らなくては」と姿勢を正す。
○…鎌倉生まれ鎌倉育ち。「体を動かすことがとにかく好き」と若いころは野球に熱中、ウィンドサーフィンやスノーボード、アイススケートなど様々なスポーツに打ち込んできた。「海辺の大らかな空気のなか育ったせいか、かなりマイペースな性格」と自身を表す。「自分のことを何でも受け入れてくれた。本当に周囲の人たちには恵まれた」と笑顔を見せる。
○…父親が創業した自然食品の店「かなや」を20代半ばで継いだ。「商店会の人に助けてもらったりして、ここまでやってこられた」と振り返る。「困った時はお互い様。お店同士が支え合うアットホームな雰囲気が、由比ガ浜通りの魅力なんですよ」と語る。大きな看板が立ち並び、ネオンコンテストなどが行われたかつての華やかさは今となってはないものの「人情味あふれる商店会、というところは一分も変わっていない」と胸をはる。
○…商店会設立当時の写真を展示する「回顧展」を納涼会に合わせ行うため、ここ数週間は過去の資料の整理に追われていた。鎌倉カーニバルのパレードやネオン鮮やかな夜の通り沿いなど、約40点の写真が展示される。「当時と今のまち並みを比べてみて欲しい。若い人にも昔の由比ガ浜を知ってもらえる機会になれば」と話す。現在は妻と娘2人、両親の6人暮らし。一家総出で、毎年キャンプに出かけるのを楽しみにしている。「家族や仲間と、鎌倉で日々を過ごせることが一番の幸せ」と満面の笑みを浮かべた。