プロ野球ドラフト会議でオリックス・バファローズから2位指名を受けた 宗(むね)佑磨(ゆうま)さん 大町在住 18歳
感謝を胸に 一歩踏み出す
○…「ほっとした気持ちはあったけれど、驚きの方が大きかった」。身体能力に秀でた俊足好打の遊撃手として、オリックスから2位指名を受けた。在籍する横浜隼人高校野球部にとっても、10年ぶり2人目のドラフト指名。メールや電話は約300件あり、ドラフトの翌日登校すると、黒板には「宗君おめでとう」のメッセージが。周囲の祝福に「すごく嬉しかった」と笑顔を見せる。
○…関西から東京に引っ越した小学3年生まではサッカー少年だった。しかし、「新しい学校にサッカー部がなくて。友達が野球をやっていて、体験に行ったらすごく楽しかった」と、白球を追いかける日々が始まった。その後鎌倉に移り、玉縄中時代は軟式野球部に所属。投手や内野手としてプレーするも、大舞台には縁がなかった。「甲子園で、笑顔でプレーする選手を見て楽しそうだなと思った」と横浜隼人高校に進学。当初は部員の多さなどに戸惑ったが、1年秋にはレギュラーに定着。今夏の大会では膝の故障を抱えながら、ベスト4入りに貢献した。
○…3学年で約150人が所属する同校硬式野球部。プレー中も絶えず声を掛けあい「団結力が強くてみんな仲がいい」。着替えや食事の時間には「他愛ない話ですごく盛り上がったりして。それで怒られたりもするんですけれど」と笑う。恋愛について質問すると「これまでは禁止されていたし、そもそもできない。あんまり考えたことはないです」とはにかむ。
○…父はギニア出身。幼少時に両親が離婚し、母と二人三脚で歩んできた。来年からは母の元を離れ関西での生活となるが「関西弁は忘れちゃいましたけれど、昔住んでいたので」と不安はない。「先のことはあまり考えずに、目の前のこと、自分のできることにしっかり集中したい」と謙虚な姿勢を崩さない。「お金は母に渡します」。母への、そして周囲への感謝を胸に、新たな一歩を踏み出す。