鎌倉国宝館で10月24日(土)から、特別展「鎌倉震災史〜歴史地震と大正関東地震」が開催される。会期は12月6日(日)まで。これは同館のほか市内、京都の社寺などが収蔵する資料から、鎌倉における震災の歴史を検証するもの。関係者は「過去の地震被害について再認識するとともに、文化財保護や昔の人の地震観についても考える機会になれば」と話している。
中世に政権都市となったことから、1195(建久6)年以降、「鎌倉の震災」は多くの資料に記録されている。同展では東日本大震災以降の地震に関する研究成果もふまえながら、地域における震災の歴史を様々な資料で検証する。
展示は2部構成。第1部は「鎌倉の歴史地震〜鎌倉時代から江戸時代」と題して、親玄僧正日記(京都・醍醐寺)、鶴岡八幡宮社務記録(鶴岡八幡宮)のほか、日蓮の生涯を描き、1257(正嘉元)年に鎌倉で発生した大地震やその後の旱魃の様子を描いた日蓮聖人註画讃(京都・本圀寺)などを展示する。
第2部「鎌倉の大正関東地震〜被害状況と文化財復興」では、当時鎌倉に住んでいた画家・藤原草丘が大正関東地震による被害を描いた鎌倉大震災図巻のほか、北条時頼坐像(建長寺)など、大正関東地震で破損した文化財を展示。その後の修復の様子と合わせ、復興への道のりなどもたどる。
同館学芸員の浪川幹夫さんは「過去に発生した地震や当時の人々の様子を知ることで、減災に役立ててもらうとともに、いにしえの人々が地震という天災をどうとらえていたかについても考えてもらえれば」と話している。観覧料は一般500円、小・中学生200円。月曜休館(11月2日は開館)。
関連企画も
会期中の毎週土曜日午後2時から、学芸員による展示解説が行われる。関連行事として、災害史の第一人者、北原糸子さん(日本災害史・歴史地震研究会前会長)の特別講演会「地震と社会―元禄地震と関東震災を中心に―」が11月8日(日)、鎌倉生涯学習センターホールで開催される。午後1時30分から3時まで。参加は無料。
問い合わせは同館【電話】0467・22・0753へ。
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