長年「少年補導員」を務め、このほど全国表彰を受けた 安齋 百合子さん 由比ガ浜在住 69歳
健全な成長見守り続ける
○…「少年補導員」は、警察署長の委嘱を受けて非行防止や健全育成のために活動するボランティア。このほど全国少年警察ボランティア協会が、補導員として長年功績のあった人を表彰する「少年補導栄誉銅章」を受賞した。「マイペースに続けてきただけ。表彰されるようなことをしたとは思っていないので、驚いています」とほほ笑む。
○…東京都出身。28歳で結婚し、夫の実家がある鎌倉・坂ノ下へ。「ずっと都会暮らしだったので、夜8時になると人がほとんど歩いていないのにびっくりしました」と振り返る。補導員になったのは約20年前。一男一女の子育てのかたわら、子ども会やPTAでも活躍していた姿を見て、知人に声をかけられた。以来、街頭パトロールや登下校時の見守り、子どもたちへの声かけ、学校行事に参加しての啓発活動などを続けてきた。「最近は喫煙などの非行行為を見かけることが少なくなりました。その分、ネットやゲームへの依存など、問題をより見つけづらくなっているのかも知れません」と子どもたちの変化を気にかける。
○…補導員と同じ時期に、民生委員も引き受け、現在も活動する。担当地域に30人ほどいる一人暮らしの高齢者を定期的に訪問しては、暮らしのなかでの困り事などに耳を傾ける。警察との連携で、振り込め詐欺被害を未然に防いだこともあるという。「互いの活動がいい形で作用していると感じています。子育てのこと、介護のことなど、悩みがあったら気軽に相談できる存在でいられたら」と笑顔を見せる。
○…子ども2人はすでに独立し市外に住む。4人の孫たちの成長がなによりの楽しみだ。「今度、運動会を見に行くの」と、この時ばかりはすっかり「おばあちゃん」の顔になる。学生時代はバスケットボールに打ち込み、実業団でも活躍したスポーツウーマン。自慢の健脚で、今日も地域を走り回っている。