NPO法人鎌倉ガイド協会の会長を務める 高橋 健治さん 腰越在住 75歳
歴史嫌い克服し案内人に
○…観光客や修学旅行生など、年間約2万人に鎌倉の歴史、名所を案内しているNPO法人鎌倉ガイド協会。今年5月、約100人の会員をまとめる会長に就任した。会員歴12年、会長を務めるのは2度目となる。「さまざまな経歴を持つ人が集まる会の強みを生かし、豊かな発想力で鎌倉の魅力を発信していきたい」
○…東京都目黒区出身。高校の時、家族と由比ガ浜に移住した。「年号を覚えるなんてくだらない」と歴史嫌いだった学生時代。理系の道に進むことを決心し、早稲田大学では機械工学を専攻。その後、建設機械メーカーに就職し、セールスエンジニアとして、東南アジアやアフリカ諸国など開発途上国延べ44カ国を渡り歩いた。「当時の日本は高度経済成長期。朝から晩まで働いた」。定年が目前に迫った59歳の時、「老後は青春を過ごした鎌倉で過ごし、恩返しができれば」と腰越に居を構えた。
○…退職後、積極的にボランティア活動に参加。そんな時に出合ったのがガイド協会だった。「歴史は苦手だったが、先人たちの思いや故郷への理解を深めることには意味があると再発見した」。2年間で60のコースを巡るほどのめり込み、研修試験を経て会員に。豊富な知識と時間を要する人気企画「古都鎌倉史跡めぐり」のコースづくりは細部にまでこだわり「歴史好きの人に『勉強になった』と言われると、思わずガッツポーズを取ってしまう」と笑顔を見せる。
○…会長就任直後、脳梗塞で入院。妻がすぐ救急車を手配したこともあり、一命を取り留めた。現在は健康維持のため、週3回スポーツクラブで水泳や体操に汗を流す。「復帰を支えてくれた方々に深く感謝したい。今後も多くの人に笑顔と感動を届けられるよう、頭と体が動く限り活動を続けていきたい」