NPO法人ふぁみりぃの理事長に就任した 高橋 佳子さん 由比ガ浜在住 47歳
「お互い様」と言える街に
○…市民同士が有償で子どもの送迎や預かりを行う「ファミリーサポートセンター」の運営を担うNPO法人ふぁみりぃの理事長にこのほど就任。「昔と比べ、困っていても地域内で助け合える環境がない人も多い。今の時代に合った、顔の見える関係を作り出していきたい」と使命感に燃える。
○…鳥取県出身。大学での学びを仕事に生かそうと、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取得。現在は藤沢市の学校などでスクールソーシャルワーカーとして児童福祉の課題解決や生活相談等を行っている。ふぁみりぃに携わるようになったのは2年前。近年、産後うつや福祉の支援が必要な家庭などが増加。専門的な知識と豊富な実務経験を買われ、理事として活動に助言をしてきた。「ファミサポの料金は1時間700円。最低賃金より安くても家計が苦しく利用できない家庭もある。人付き合いが苦手で気軽にお願いができない人もいる。新しいニーズに合わせた支援の形を探らないと」
○…小・中・高校生の3人の子がおり、自身も子育て真っ只中。叱る声がつい大きくなり、近所の人を心配させてしまったこともある。「専門職と母親、両方の立場がよくわかるからこそ、経験を生かして、『お互い様』と助け合える街をつくりたい」。目指すのは、何でも気軽に相談できる「よろず相談おばさん」だ。
○…約10年前、子どもの故郷となる場所を求め転居したのが「道行く人がニコニコしている幸せそうな街」鎌倉だった。過去には御成通りでコミュニティカフェを運営。現在は、多世代交流の食事の場を開く「ふらっとカフェ鎌倉」の副代表も務めている。「忙しいけれど、自分の暮らしたい街を目指した活動なので、自分のためでもあるんですよ」と目を細めた。