休校中の子ども向けに無料の「文章教室」を開催中のコピーライター 木村 吉貴さん 寺分在住 42歳
「伝え方」知り人生を豊かに
○…「二人の子どもを持つ親として、また地元で生活し働く者として何かできることはないか。考えた時に浮かんだのがこれでした」。新型コロナウイルス感染予防のため休校中の子どもたちを対象に、文章教室を始めた。参加者には「家族や友だちにあてた感謝の手紙を書こう」といった課題を出す。その際にコツとして伝えるのが「読み手のことを想像しよう」と「言いたいことを明確に」。「この2つを意識するだけで文章がガラリと変わる。子どもたちの表情を見ると、やってよかったと思いますね」
○…青森県出身。幼い頃から小説や漫画を読み漁り、自然と「文章を書く仕事につきたい」と思うようになった。大学卒業後、デザイン事務所や広告代理店でコピーライターとして働いた後に独立。子どもが生まれたことをきっかけに「自然豊かな場所で子育てがしたい」と2011年、鎌倉に移り住んだ。
○…16年から税理士の妻とともに梶原にオフィスを構える。現在では企業の商品、サービスのキャッチコピーの制作をはじめ、映画や演劇の脚本、進学・就職活動用の自己PR文の作成、ラブレターの指南まで幅広い依頼があるという。「コピーは『伝える』ことに特化した文章。日常生活に生かせば、コミュニケーションが良化して仲間が増え、人生そのものが豊かになる」と笑う。
○…初監督作品となる映画『怪獣カマクラ』を制作中だ。鎌倉にだけ現れ、限られた人にしか見ることができない怪獣をめぐる人間模様を描いたもので、「鎌倉の魅力がぎゅっとつまっている」という。今夏完成予定で海外の映画祭への出品も視野に入れる。「鎌倉に来たことで、大切なつながりがたくさんできた。自分なりに地域に恩返しができたら」